2019 / 04 / 20 「全国賃貸住宅新聞」2019.4月号 第1360号に掲載されました。

全国賃貸住宅新聞2019.4.1

「全国賃貸住宅新聞」に取り上げられました。

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1年で管理棟数3倍に

首都圏でシェアハウス300棟運営-

 

『かぼちゃの馬車』200棟を受託

同社が管理する300棟3000ベッドのうち200棟が『かぼちゃの馬車』として建てられたシェアハウスだ。

家主から借上げ、入居者に転貸しているが、家主に支払う金額は家賃収入の9割という契約になっている。

『かぼちゃの馬車』を管理委託したきっかけは、18年3月に不動産会社からの紹介で管理の相談を受けた事だった。鳥井社長は初めて物件を見たとき、共有リビングがない造りに不安を覚えた。

07年からシェアハウスの企画運営を手掛けてきた同社では、入居者同士の交流をシェアハウスの魅力としてきたからだ。

「共有リビングがなければリーシングは難しいと感じたが、それを逆手に取りプライベート空間を重視した都内に安く住める『シェアドアパートメント』としてPRしたところ、全て空室だった11部屋が3ヶ月で満室になった」と鳥井社長は当時を振り返る。

内装や間取りは改修せず、各個室に冷蔵庫とテレビを設置。

ベッドやデスクはもともと備え付けてあったが、より個室で快適に過ごせるように改良した。

個室タイプの家賃は3万~6万5000円で別途、共益費1万円がかかる。

周辺の築古ワンルームより高い設定だ。築浅で家具家電がついていること、入居にかかる初期費用が安い事が、ワンルームより高い家賃でも入居がきまる理由だ。

ここ一年、オーナーの紹介やホームページからの問い合わせで管理受託が一気に増えた。

中にはすでにたいきょしているはずの入居者が住み続けていたり、共有部に物が散乱していたり、ずさんな管理状態の物件もあった。

連絡がつかない入居者も少なくなく、同社のスタッフが訪問し契約内容や生活ルールの説明を行うなどかなりの手間がかかった。

管理が急増した分、スタッフを増員。

慣れない新人でも対応できるように入居者管理や問い合わせ対応、入退去契約はシステム化し業務を軽減。

例えばFAXで受け付けていた退去申請も、シェアハウスの掲示板に貼っているQRコードを読み込み入力フォームに必要項目を打ち込んでもらうだけで完結する仕組みを導入。

現在、同社管理物件の平均入居率は92%、元『かぼちゃの馬車』のみだと96%に上る。

管理増加に伴いリーシングを強化してきた。

問い合わせの5割を占める自社ホームページのSEO対策や法人顧客開拓に加え、外国人入居者を確保するために韓国と台湾の留学生サポート会社40社と提携。

SNS広告やインフルエンサーも活用している。

入居者の5割は外国人だ。

元『かぼちゃの馬車』の200棟のうち20棟以上は日本法人が一棟ごと借り上げている。

18年7月に同社に『かぼちゃの馬車』を管理委託したオーナーは「20戸中14部屋が空いていたが、クロスハウスが一カ月で満室にしてくれた」と語った。最寄駅から徒歩3分と立地が良かったこともあるが、家賃は5万7000円と安くはない。

管理物件内の転居費用を軽減

同社の入居率が高い理由はもう一つある。

3万円の入居初期費用を一度支払うと、同社管理物件内の転居に伴う費用負担がない点だ。

荷物の移動は入居者の自己負担だが、退去費用や新たに入居費用を払う必要はない。

管理物件内の転居は月に30件、引っ越しシーズンは月に100件になる。

他の入居者と合わない、職場が変わった、もっと便利な場所に引っ越したい。

こうした理由で転居する際も入居者を失わずに済むわけだ。

特に家具家電を持っていない場合、通常の賃貸住宅に入居しようとすると高額な費用が掛かるだろう。

外国人の短期滞在以外に、物を所有せずに気軽に引っ越しが出来る住環境を好む日本人の若者もいる。

「管理物件が増え、首都圏にある300棟から選ぶことができるスケールメリットがでてきた、シェアハウスからワンルームに住み替えたいニーズもあるため、今後はワンルームの管理も増やしていく」と鳥井社長は意気込みを語る。