2018 / 08 / 07 賃貸経営ニュース「和楽」第324号に弊社代表が掲載されました。

「かぼちゃの馬車」運営 (株)スマートデイズの経営破綻に関して、

弊社代表取締役 鳥井がインタビューを受けました。

6号

 

↓以下本文

 

今話題のシェアハウス経営 そのリスクと展望

副題:今月号では、先月号に引き続き、株式会社クロスハウスの代表取締役 鳥井淳史様に、同社が運営するシェアハウスについて伺います。アパート・マンションの賃貸物件が飽和状態になっている今、物件をシェアハウスとして活用したいというオーナーさんからのお問合せが増えています。

シェアハウスの展望

手塚:今後は少子高齢化や人口減もあって、賃貸市場はますます空室が懸念されます。今後のシェアハウスの展望についてどのようにお考えでしょうか。これからシェアハウスを始めようかと考えているオーナーさんに、魅力や将来性を教えて頂ければと思います。

鳥井:全国的には少子高齢化、人口減の問題はありますが、都心部は地方から移ってくる若い方が多いので、横ばいと考えています。そのため、弊社のシェアハウスは都心部に集中して運営しています。家具家電付きで普通の賃貸物件を借りるよりも初期費用や月々の賃料が安く済むため、上京してきたばかりの方や日本で働く外国人の方たちからニーズがあります。

手塚:オーナーさんとの契約はサブリース契約が多いのでしょうか。

鳥井:一般的にはシェアハウス運営会社が一括で借上げ、空室があっても固定の賃料をオーナーさんに保証するサブリース契約が多いです。他には、管理受託方式で入居賃料から固定の料率を頂く形での運営形態もあります。

コンセプトは好立地・低価格

手塚:御社のシェアハウスの特徴はどのような点でしょうか。

鳥井:コンセプトは、好立地・低価格です。都内でも新宿、渋谷、池袋、六本木、中目黒、上野、秋葉原など、人気のエリアに集中して運営しています。特に、山手線沿線は人気があるので、最寄の駅がメジャーな駅なら15分ほど離れていても入居者は決まります。

問い合わせは月に1000件以上

手塚:稼働率はいかがでしょうか。普通の賃貸アパートだと、繁忙期に決まらなければ数ヶ月空いてしまうこともありますが。

鳥井:稼働率は上がってますね。3月だけで入居の契約は約200件でした。問合せは月に1000件~1500件ほどあります。SUUMOやathomeなどの一般的な賃貸物件の募集サイトに載せるのではなく、シェアハウス専門のポータルサイトに掲載したり、自社のHPでご紹介しています。自社HPからの問い合わせが全体の6~7割です。

外国人が全体の2~3割

手塚:外国人の入居者も多いですか?一緒に住んでコミュニケーションをとるなかで、お互いの言語を勉強したい方の入居も多いのではないでしょうか。

鳥井:海外にリスティング広告を出していて、日本語の他に韓国語、中国語、英語でも対応しているため、外国人の問い合わせも多いです。

全体の2~3割でしょうか。あえてコンセプトにおいていなくても、一緒に住んでいるうちにコミュニケーションがとれるようになり、その結果、相手の文化や言語を学ぶことになります。

入居までの流れ・料金

手塚:入居までの流れや料金を教えて下さい。

鳥井:インターネットサイトから物件の問い合わせをもらい、その後、担当者が物件をご案内します。気に入って頂ければ申込みとなり、入居説明会でルールの説明や鍵の受渡しをして入居となります。初期費用は3万円+共益費1万円の計4万円。その他には家賃の日割り料金などです。毎月の料金は場所や部屋の広さにもよりますが、ドミトリータイプは29,800円、セミプライベートが39,800円、個室は4万円~+共益費1万円です。

これから上京する方など、お会いして契約ができない場合は、Webで契約できる仕組みを導入しています。

入居者を管理人に

手塚:入居者同士のトラブルやゴミ出しなど、どのような対策をとられていますか。

鳥井:原則、1棟のシェアハウスに管理人を2名おいています。入居者兼管理人ですね。賃料を安くする代わりに、トラブルがあった時にパイプ役になってもらいスタッフ目線で報告をあげてもらっています。リーダー的な存在で、ゴミ出しの指導などもお願いしています。

手塚:面談などの際に指導していくのでしょうか。

鳥井:そうですね。研修を受けて頂きます。事前にかなり細かいルールを設定することで、トラブルが起きない環境をつくるようにしています。弊社の従業員が時々見回りをするだけではトラブルの芽が把握できないので、入居者が管理人をすることで早期にトラブル対応することが可能となります。

共有スペースの清掃などは、入居者が当番でやると、トラブルが起きがちです。コミュニティもシェアハウスの売りの1つなので、人間関係がぎくしゃくしないよう清掃スタッフを派遣しています。

手塚:外国人特有のトラブルはありますか。

鳥井:やはりカルチャーの違いでトラブルになることがありますね。土足で入るとかトイレや共有スペースの使い方が問題になることが多いです。

手塚:入居者の年齢層は若い方が多いのでしょうか。

鳥井:うちは年齢制限を設けていまして、18歳~30代までにしています。極端に年代が異なるとコミュニティが成立しづらいかと。運営会社にもよると思いますが。

主に100㎡以内の物件で対応

手塚:シェアハウス向きの物件は戸建てが多いと思いますが、面積要件等、シェアハウスをやるにあたっての条件はありますか。

鳥井:弊社では、主に100㎡以内の物件に限定させて頂いています。100㎡を超える場合は「住居」から「寄宿舎」に用途変更をしなければいけないため、建物の「検査済証」が必要となるからです。お持ちであれば100㎡超でも対応できますが、古い物件の場合、オーナーさんがお持ちでないことが多いのです。

手塚:アパートの空室をシェアハウスにすることもできるのでしょうか。

鳥井:面積にもよりますが、例えば広めのファミリータイプであれば、室内を改装してシェアハウスに転用することは可能かと思います。また、ワンルームタイプの場合には、弊社ではシェアハウスではなく、一般的な賃貸アパートとして借り受けます。リノベーションして「クロスのワンルーム」という家具家電付きの商品にします。こちらもずっと満室ですね。

弊社のシェアハウスに入居している方に、ワンルームのアパートが出来ましたよとリリースしてあげると、そちらに移っていくこともあります。

手塚:今後シェアハウスとしての活用を考えているオーナーさんに対して、アドバイスなどありましたらお願いします。

鳥井:運営会社のリサーチが重要です。建てて終わりではなく、客付して運営できてこそです。よく普通の不動産会社が空室が埋まらないからとシェアハウスにして運営もするというケースを聞きますが、集客のやり方が違いますので上手くいかないのです。シェアハウス専門の運営会社を選ぶことをおすすめします。

手塚:本日はありがとうございました。