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アパートの耐用年数と減価償却|木造22年など構造別の年数、中古の計算方法と償却が終わった後

アパートの耐用年数と減価償却|木造22年など構造別の年数、中古の計算方法と償却が終わった後

アパートは何年で、毎年いくら経費にできるのでしょうか。耐用年数と減価償却の計算方法を整理します。

この記事の要点
  • アパート(住宅用)の法定耐用年数は、木造22年・鉄筋コンクリート造47年・鉄骨造19〜34年(骨格材の肉厚による)。
  • 建物は定額法で償却する。年間の減価償却費は「取得価額×償却率」で、木造22年なら償却率0.046。
  • 中古アパートは簡便法で耐用年数を短くできる。築25年の木造なら22年×20%で4年。
  • 土地は減価償却しない。購入代金を土地と建物に分け、建物の部分だけを経費にしていく。
  • 償却が終わると経費が減り、同じ家賃収入でも税金が増える。終わる年を先に把握して資金計画を立てる。

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目次

減価償却とは|建物は数年に分けて経費にする

アパートの建物は、買った年に代金を一度に経費にすることはできません。建物は年数とともに価値が減っていくものとして、取得価額(購入代金や建築代金)を決められた年数に分けて、毎年少しずつ必要経費にしていきます。これが減価償却です。

減価償却費は、実際にお金が出ていかないのに経費になるのが特徴です。家賃収入から差し引けるため不動産所得が小さくなり、その分だけ所得税・住民税が軽くなります。逆に言えば、償却が終わった年から、同じ家賃収入でも税金が増えることになります。

国税庁のNo.2100 減価償却のあらまし(2026年10月時点)によると、ポイントは次のとおりです。

  • 土地のように時間がたっても価値が減らないものは、減価償却の対象にならない
  • 1998年(平成10年)4月1日以後に取得した建物は、定額法(毎年同じ額を償却する方法)だけを使う
  • 2016年(平成28年)4月1日以後に取得した建物附属設備(給排水・電気・ガス設備など)と構築物も、定額法で償却する
  • 年の途中で取得した場合は、使い始めた月からの月数で按分する
  • 最後は帳簿上の価額が1円残るまで償却する

アパートの法定耐用年数(構造別)

減価償却に使う年数は、建物の構造と用途ごとに財務省令で決まっています。これを法定耐用年数といいます。アパート(住宅用)の主な年数は次のとおりです。

構造住宅用の法定耐用年数定額法の償却率
木造・合成樹脂造22年0.046
木骨モルタル造20年0.050
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造47年0.022
れんが造・石造・ブロック造38年0.027
金属造(骨格材の肉厚4mm超)34年0.030
金属造(骨格材の肉厚3mm超4mm以下)27年0.038
金属造(骨格材の肉厚3mm以下)19年0.053

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」「減価償却資産の償却率等表」(2026年10月時点)。

いわゆる軽量鉄骨のアパートは、骨格材の肉厚によって19年か27年になることが多く、重量鉄骨なら34年です。呼び名ではなく肉厚で決まるので、確認申請書や設計図書で確かめます。

法定耐用年数は、あくまで税金の計算に使う年数です。22年を過ぎた木造アパートが住めなくなるわけではありません。実際に何年使えるかは、屋根・外壁・設備の修繕をどれだけ計画的に行ってきたかで変わります。修繕の周期と費用の目安はアパートの修繕費の目安で解説しています。

減価償却費の計算方法(新築の場合)

定額法の年間の減価償却費は、次の式で求めます。

計算式
  • 年間の減価償却費 = 建物の取得価額 × 定額法の償却率
  • 取得した年 = 上の金額 × 貸し付けに使った月数 ÷ 12

たとえば、建物の取得価額が3,000万円の新築木造アパートなら、3,000万円×0.046=138万円が毎年の減価償却費です。7月に完成して貸し始めた場合、その年は7月から12月の6か月分で、138万円×6÷12=69万円になります。ここで使っている金額は説明のための仮の数値です。

取得価額に含めるもの、土地と建物の分け方

取得価額には、建物の代金のほか、購入時の仲介手数料など、買うためにかかった費用も含めます。土地付きで買った場合は、購入代金と付随費用を土地と建物に分け、建物の部分だけを償却します。売買契約書に建物の価格や消費税額が書かれていればそれをもとに分け、書かれていない場合は、固定資産税評価額の土地と建物の比率で分ける方法がよく使われます。たとえば購入代金が6,000万円で、固定資産税評価額が土地2,000万円・建物1,000万円なら、建物の取得価額は6,000万円×1,000万円÷3,000万円=2,000万円です(説明のための仮の数値。付随費用も同じ比率で分けます)。建物の割合が変わると毎年の経費が大きく変わるので、購入前の段階で税理士に相談しておくと安心です。

給排水・電気・ガス設備などの建物附属設備は、金額が分かれていれば建物とは別に15年で償却できます。見積書や契約書で設備の金額が分かれているかも確かめておきます。

中古アパートの耐用年数の求め方(簡便法)

中古のアパートは、新築と同じ法定耐用年数を使う必要はありません。残りの使用可能期間を見積もって使えるほか、見積もりが難しい場合は「簡便法」という決められた計算式で耐用年数を出せます。国税庁の中古資産の耐用年数(2026年10月時点。法人税のページですが、個人の不動産所得でも同じ省令の規定によります)では、次のように示されています。

中古アパートの状態簡便法の耐用年数
法定耐用年数をすべて過ぎている法定耐用年数 × 20%
法定耐用年数の一部を過ぎている(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%

計算結果に1年未満の端数があれば切り捨て、2年に満たない場合は2年とします。木造と鉄筋コンクリート造で、築年数ごとに計算すると次のようになります。

物件計算耐用年数償却率
木造・築10年(22−10)+10×20%=1414年0.072
木造・築25年22×20%=4.44年0.250
鉄筋コンクリート造・築20年(47−20)+20×20%=3131年0.033

築25年の木造アパートで、建物部分の取得価額が1,000万円なら、1,000万円×0.250=250万円を4年間、経費にできます(説明のための仮の数値)。年数が短いほど1年あたりの経費は大きくなりますが、経費が大きいのは4年間だけで、5年目からは建物の減価償却費がなくなります。購入時の収支は、5年目以降の税金まで含めて見ておく必要があります。

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取得したあとに、その中古アパートの取得価額の50%を超える改修(資本的支出)をした場合は、簡便法を使えず、法定耐用年数で償却します。大きなリフォームを予定している場合は、購入前に税理士に確認してください。

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減価償却が終わった後に起きること

経費が減り、税金が増える

建物の帳簿上の価額が1円になると、それ以降は建物の減価償却費を経費にできません。家賃収入も、ほかの経費も変わらなければ、減価償却費の分だけ不動産所得が増え、税金も増えます。手元に残るお金は、その分減ることになります。

ローンの返済が経費を上回る「デッドクロス」

借入れでアパートを買った場合は、もう一つ注意点があります。ローンの返済のうち、経費にできるのは利息だけで、元金の返済は経費になりません。償却が進んで減価償却費が元金の返済額を下回ると、帳簿上は利益が出ているのに、手元の資金が足りなくなる状態になります。これをデッドクロスと呼びます。返済計画と償却が終わる年を並べて、どの年から起きそうかを先に確かめておきます。

売却するときの利益が大きく計算される

売却したときの利益(譲渡所得)を計算するときの建物の取得費は、購入代金から所有期間中の減価償却費に当たる額を差し引いた金額になります(国税庁 No.3252 取得費となるもの、2026年10月時点)。償却が進んでいるほど取得費は小さくなり、同じ価格で売っても利益が大きく計算されます。売却の時期の考え方は収益物件の売却タイミングをご覧ください。

償却が終わる前後に考えておきたいこと

償却が終わるころは、築年数が進み、修繕や設備の交換も重なりやすい時期です。税金の面だけでなく、建物と収入の両方から次の点を考えておきます。

  • 償却が終わる年と、ローンの元金返済が経費を上回る年を、年表にして確かめる
  • 屋根・外壁や設備の修繕の時期を確かめる。価値を高める工事は資本的支出として新たに償却し、元の状態に戻す工事は修繕費になる(国税庁 No.1379)
  • 募集の反響や家賃の下がり方から、今の貸し方のままで収入を保てるかを見直す
  • 持ち続けるか、建て替えるか、売るかを、税金を含めた手取りで比べる

家賃収入を保つための貸し方の見直しとしては、単身向けの部屋を家具家電付き賃貸に切り替える方法があります。家具家電は建物とは別の資産で、たとえば冷蔵庫・洗濯機・エアコンは6年、ベッドは8年の耐用年数で償却します(前掲の国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」)。進め方は空室アパートを家具家電付き賃貸に転換する進め方、建て替え以外の活用方法は老朽化アパートの活用方法で解説しています。

空室の波を減らして収入を安定させたい場合は、借り上げ(サブリース)も選択肢です。仕組みはサブリースとは?仕組みと注意点、管理委託との違いは管理委託とサブリースの違いをご覧ください。クロスハウスは、家具家電付きアパートメントやシェアハウスを3,000室以上運営しており、物件の立地や間取りに合わせて、借り上げや家具家電付き賃貸といった貸し方をご提案しています。減価償却を含めた収支の見込みを立てずに買ってしまうのは、アパート経営の失敗パターンの一つでもあります。

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※サブリース(借り上げ)契約に関するご注意:契約期間中でも、経済事情の変動等を理由に運営会社からオーナー様へのお支払い賃料の減額を請求される場合があります(借地借家法第32条)。オーナー様からの中途解約には正当な事由を要する場合があるほか、免責期間・原状回復や修繕費の負担区分などの条件は、契約時に賃貸住宅管理業法に基づく重要事項説明で書面にてご確認いただけます。

よくある質問

木造アパートの耐用年数は何年ですか?

税法上の耐用年数(法定耐用年数)は、木造の住宅用の建物で22年です。外壁がモルタル塗りの木骨モルタル造なら20年になります。これは減価償却の計算に使う年数で、建物が使える年数ではありません。手入れをしていれば、22年を過ぎても貸し続けられます。

軽量鉄骨のアパートの耐用年数は何年ですか?

鉄骨造(金属造)の住宅用の建物は、骨格材の肉厚で年数が分かれます。3mm以下なら19年、3mm超4mm以下なら27年、4mm超なら34年です。「軽量鉄骨」という呼び名だけでは決まらないため、確認申請書や設計図書で肉厚を確かめます。

築25年の木造アパートを買った場合、何年で減価償却しますか?

築25年の木造住宅用の建物は、法定耐用年数の22年をすべて過ぎているので、簡便法では22年×20%=4.4年、1年未満を切り捨てて4年になります。定額法の償却率は0.250で、建物部分の取得価額の4分の1ずつを4年で経費にします。ただし、取得後に取得価額の50%を超える改修をした場合は簡便法を使えません。

減価償却費は毎年同じ金額ですか?

建物は定額法で償却するので、原則として毎年同じ金額です。ただし、取得した年(貸し始めた年)は、貸し付けに使った月数で按分します。たとえば7月に貸し始めたなら、その年は7月から12月の6か月分です。最後の年は、帳簿上の価額が1円残るように調整します。

減価償却が終わったアパートはどうなりますか?

帳簿上の価額が1円になると、その後は建物の減価償却費を経費にできなくなります。家賃収入が同じでも経費が減るため、不動産所得とそれにかかる税金が増え、手元に残るお金は減ります。償却が終わる年を先に把握し、修繕や設備の更新、貸し方の見直し、売却の検討を早めに始めておくと、資金計画を立てやすくなります。

土地も減価償却できますか?

できません。土地は時間がたっても価値が減るものではないため、減価償却の対象外です。アパートを土地付きで買った場合は、購入代金を土地と建物に分け、建物の部分だけを減価償却します。分け方は売買契約書の記載などによるため、税理士に確認してください。

減価償却が終わった築古アパートでも、借り上げや家具家電付き賃貸の相談はできますか?

築年数だけで判断せず、立地・間取り・建物の状態をうかがったうえで、借り上げ(サブリース)や家具家電付き賃貸など、物件に合った貸し方をご提案しています。条件は物件と契約の内容によって異なりますので、オーナー様向けのお問い合わせフォームからご相談ください。

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税務に関する内容は、制度の概要を紹介したものです。法令は2026年10月時点の内容によります。計算例の金額は説明のための仮の数値で、個々の物件の減価償却費や税額を示すものではありません。取得価額の分け方、耐用年数の判定、修繕費と資本的支出の区分は、税理士などの専門家にご確認ください。

まとめ

アパートの減価償却は、建物の取得価額を法定耐用年数に分けて毎年経費にしていく仕組みです。住宅用の法定耐用年数は木造22年、鉄筋コンクリート造47年、鉄骨造は骨格材の肉厚で19〜34年で、建物は定額法で「取得価額×償却率」を毎年償却します。中古アパートは簡便法で耐用年数を短くでき、築25年の木造なら4年です。土地は償却しません。償却が終わると経費が減って税金が増えるため、終わる年とローンの返済、修繕の時期を並べて、貸し方や売却まで含めて早めに考えておきます。築年数に合った貸し方を検討したい場合は、オーナー様向けのお問い合わせフォームからご相談ください。

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この記事を書いた人

空き家や投資物件のオーナー様向けに、シェアハウス・家具付き賃貸・民泊等への転用で収益を最大化するノウハウをお伝えしています。

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