MENU

株式会社クロスハウス

アパートの修繕費の目安は?修繕の周期・大規模修繕の費用と、積み立ての考え方

アパートの修繕費の目安は?修繕の周期・大規模修繕の費用と、積み立ての考え方

アパートの修繕費は、いつ・いくら備えればよいのでしょうか。修繕の周期と費用の目安、積み立て方を整理します。

この記事の要点
  • 修繕費は「部位ごとの修繕周期」から逆算して見積もる。木造アパートの屋根・外壁の塗装は、おおむね11〜15年が目安。
  • 給湯器・エアコンなどの室内設備は、5〜10年で修理、11〜15年で交換が目安。築10〜15年に修繕が重なりやすい。
  • 費用の例として、木造2階建て12戸で屋根と外壁全体の改修に約470万円(国土交通省のガイドブックの事例)。
  • 積み立ては、長期修繕計画の修繕費の合計を月数で割るのが基本。家賃の口座とは分けておく。
  • 20万円未満や3年以内の周期の支出は、修繕費としてその年の経費に。価値を高める工事は資本的支出として減価償却する。

\ 簡単1分で入力完了 /

修繕費と収支の見直しを無料で相談する
目次

アパートの修繕費は「周期」から逆算して備える

アパートの修繕費は、毎年同じ額が出ていくものではありません。数年おきの小さな修理に加えて、10〜15年ごとに屋根や外壁の塗装、設備の交換がまとまってやってきます。そのときに手元の資金が足りないと、工事を先送りするか、借り入れに頼ることになります。

国土交通省の賃貸住宅管理業者向け 計画修繕ガイドブックによると、計画的に修繕を行っているオーナーは約4割にとどまり、約2割は計画修繕を行っていないと答えています(令和4年度の家主アンケート)。修繕の責任は、所有者であるオーナーにあります。いつ・どこに・いくらかかるかを先に表にしておくことが、修繕費の不安を減らすいちばんの方法です。

部位ごとの修繕周期の目安(木造アパート)

修繕周期とは、修繕をしてから、劣化によって次の修繕が必要になるまでの期間です。同じガイドブックに、日本賃貸住宅管理協会のマニュアルをもとにした木造アパートの周期の例が載っています。主な項目を抜き出すと次のとおりです。

部位工事の内容周期の目安
屋根(スレート)塗装11〜15年目
陸屋根・ルーフバルコニー塗装/防水処理11〜15年目/21〜25年目
外壁(モルタル・サイディング)塗装11〜15年目
雨樋塗装11〜15年目
ベランダ・階段・廊下塗装/防水処理5〜10年目/11〜15年目
土台防蟻処理11〜15年目
給湯器・エアコン修理/一斉交換5〜10年目/11〜15年目
浴室・キッチン・洗面台修理/部分交換5〜10年目/11〜15年目
配管高圧洗浄11〜15年目

出典:国土交通省「賃貸住宅管理業者向け 計画修繕ガイドブック」(公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「賃貸版長期修繕計画案作成マニュアル(改訂版)」より)。周期は仕様や立地で変わるため、実際には点検で劣化の状態を見て時期を前後させます。

表を見ると、築10〜15年ごろに屋根・外壁・防水・設備の交換が重なることが分かります。ここが最初の大規模修繕の時期です。足場を組む屋根・外壁・雨樋の工事は同じ時期にまとめると、足場の費用を一度で済ませられます。

大規模修繕の費用はどのくらいかかるか

修繕費は、建物の大きさ・使われている材料・劣化の程度で大きく変わります。目安の単価を当てはめるより、施工会社の見積もりで確かめるのが確実です。そのうえで規模感をつかむために、ガイドブックに載っている実際の工事の例を並べます。

物件工事の内容工事費
築28年・木造2階建て12戸(延床面積約266㎡)屋根と外壁全体の改修(漏水箇所の修復・屋根と外壁の塗り替え・バルコニー防水など)約470万円
築34年・鉄筋コンクリート造4階建て8戸(延床面積約335㎡)外壁全体の改修(屋上を除く)約700万円
築41年・鉄筋コンクリート造5階建て20戸(延床面積約1,365㎡)外壁全体の改修約1,800万円

木造の事例は、屋根の雨漏りが見つかったことをきっかけに、屋根と外壁をまとめて改修したものです。劣化が進んでから直すと、塗装で済んだはずの工事が下地の補修まで広がり、費用が上がります。また、表の工事費は工事をした時点の価格です。資材や人件費が上がっていれば、同じ工事でも今はもっとかかります。長期修繕計画の金額も今の価格で見積もったものなので、上振れする前提で予備を持っておきます。

見積もりの工事費のほかにも、次の費用や損失を見込んでおきます。

項目内容
調査・診断・工事監理の費用劣化の調査や工事内容の設計、工事が見積もりどおりに行われているかの確認にかかる費用
工事中に貸せない部屋の家賃室内の工事は退去後にしかできず、その間は家賃が入らない
予備費資材や人件費の値上がり、開けてみたら劣化が進んでいた場合の追加工事に備える分

外壁や屋根の工事は入居者が住んだまま進められますが、室内の設備は入居者がいる間は交換できません。退去のあった部屋から順に入れ替えるため、全室が終わるまで数年かかることもあります。退去後の空室期間に工事を重ねると家賃の入らない期間が延びるので、募集の準備と一緒に段取りを組みます。空室が長引いている場合は、先にアパートの空室が続くときの原因診断で原因を確かめておくと、修繕にかける費用の優先順位をつけやすくなります。

\ 簡単1分で入力完了 /

修繕の時期に合わせた貸し方を相談する

修繕費の積み立て方

長期修繕計画の合計を月数で割る

いちばん確実なのは、部位ごとの周期と費用を並べた長期修繕計画をつくり、計画期間の修繕費の合計を月数で割って毎月積み立てる方法です。ガイドブックの例では、35年間の修繕費の合計が9,500万円の18戸の物件で、月22万6,190円、1戸あたり月1万2,566円の積み立てになっています。

計画がないうちは、家賃収入を基準にする

長期修繕計画がまだない場合の目安として、ガイドブックは管理業者の例を2つ紹介しています。ひとつは建築費の一定割合を毎年積み立てる方法、もうひとつは大規模修繕の工事費が年間の家賃収入を超えない程度に備える方法です。たとえば年間の家賃収入が300万円で、10年後の大規模修繕までに300万円を用意するなら、毎月2万5,000円を積み立てます。

家賃の口座と分けておく

積み立てたお金は、家賃が入る口座とは別にしておきます。同じ口座にあると、ほかの支出に回してしまいやすいからです。積立型の定期預金のほか、使い道を修繕に限った共済や信託もあります。資金が足りないときは金融機関の融資を使う方法もありますが、相談から実行までに時間がかかるため、工事の半年ほど前には動き出します。

修繕費は経費になる?修繕費と資本的支出の違い

修繕にかかった費用は、通常の維持管理や元の状態に戻すためのものなら、その年の必要経費(修繕費)にできます。建物の使える期間を延ばしたり、価値を高めたりする部分は「資本的支出」として建物の取得価額に加え、減価償却で数年に分けて経費にします。個人のオーナー向けの基準は、国税庁 No.1379 修繕費とならないものの判定(2026年10月時点)で次のように示されています。

判定の基準扱い
1回の金額が20万円未満修繕費(その年の経費)
おおむね3年以内の周期で行う修理・改良修繕費(その年の経費)
修繕費か資本的支出か明らかでなく、60万円未満、または前年末の取得価額のおおむね10%以下修繕費(その年の経費)
増築や用途を変えるための改造など、価値を高める部分資本的支出(減価償却)

たとえば外壁の塗り替えや、壊れた給湯器を同じ程度の品に交換するのは、元の状態に戻す修繕にあたることが多い工事です。一方、間取りの変更や性能を大きく上げる改修は、資本的支出になりやすくなります。工事の内容によって扱いが変わるので、見積書の段階で工事の中身を分けておき、税理士に確認してください。

修繕の時期は、貸し方を見直すタイミングでもある

築10〜15年の大規模修繕や設備の一斉交換は、まとまったお金が出ていく時期です。工事の前に、修繕したあとの家賃と入居の見込みを確かめ、かける費用に見合うかを比べておくと、判断を誤りにくくなります。単身向けの間取りで募集の反響が落ちているなら、給湯器やエアコンを入れ替えるのにあわせて、家具家電付きの賃貸に切り替える方法があります。交換する設備の選び方も貸し方で変わるので、工事の前に決めておくのが効率的です。進め方は空室アパートを家具家電付き賃貸に転換する進め方で解説しています。

築年数がさらに進み、建て替えか売却かで迷っている場合は、老朽化アパートの活用方法と収益物件の売却タイミングを参考にしてください。修繕費を見込まずに収支を組んでしまうのは、アパート経営の失敗パターンの典型でもあります。

空室の波を減らして収入を安定させたい場合は、借り上げ(サブリース)も選択肢です。借り上げでも、修繕費をオーナーと運営会社のどちらが負担するかは契約で決まるため、修繕の負担区分は契約前に必ず確認してください。仕組みはサブリースとは?仕組みと注意点、管理委託との違いは管理委託とサブリースの違いをご覧ください。クロスハウスでは、物件の間取りや立地に合わせて、借り上げや家具家電付き賃貸といった貸し方をご提案しています。クロスハウスに借り上げや管理をお任せいただく場合の修繕費の負担の分け方や費用の目安は、物件と契約の内容によって異なります。個別にご案内しますので、オーナー様向けのお問い合わせフォームからお問い合わせください。

i

※サブリース(借り上げ)契約に関するご注意:契約期間中でも、経済事情の変動等を理由に運営会社からオーナー様へのお支払い賃料の減額を請求される場合があります(借地借家法第32条)。オーナー様からの中途解約には正当な事由を要する場合があるほか、免責期間・原状回復や修繕費の負担区分などの条件は、契約時に賃貸住宅管理業法に基づく重要事項説明で書面にてご確認いただけます。

よくある質問

アパートの修繕費は、年間どのくらい見ておけばよいですか?

決まった金額はありません。部位ごとの修繕周期から長期修繕計画を立て、計画期間の修繕費の合計を月数で割った額を積み立てるのが基本です。国土交通省の管理業者向けガイドブックでは、手早い目安として「建築費の一定割合を毎年積み立てる」「大規模修繕の工事費が年間の家賃収入を超えない程度に備える」といった管理業者の例も紹介されています。年間の家賃収入が300万円の物件で、10年後の大規模修繕までに300万円を用意するなら、毎月2万5,000円の積み立てになります。

アパートの大規模修繕は築何年で行うものですか?

木造アパートでは、屋根と外壁の塗装の周期がおおむね11〜15年です。ここに防水や給湯器・エアコンの交換の時期が重なる築10〜15年ごろが、最初のまとまった修繕の時期になります。周期は建物の仕様や立地で変わるため、定期的な点検で劣化の状態を確かめ、時期を前後させます。

木造アパートの外壁塗装には、いくらくらいかかりますか?

建物の大きさ・劣化の程度・塗料によって大きく変わるため、見積もりを取って確かめる必要があります。参考として、国土交通省のガイドブックには、築28年・木造2階建て12戸(延床面積約266㎡)で屋根と外壁全体を改修した工事費が約470万円という事例が載っています。足場を組む工事は、屋根や雨樋など足場が要るほかの修繕と同じ時期にまとめると、足場の費用を一度で済ませられます。

アパートの修繕費は経費になりますか?

通常の維持管理や元の状態に戻すための支出は、その年の必要経費(修繕費)にできます。国税庁は、おおむね3年以内の周期で行うもの、または1回の金額が20万円未満のものを修繕費として扱えるとしています。一方、建物の使える期間を延ばしたり価値を高めたりする支出は「資本的支出」となり、減価償却で数年に分けて経費にします。どちらか明らかでない場合は、60万円未満か、前年末の取得価額のおおむね10%以下なら修繕費にできます。個別の判断は税理士にご確認ください。

入居者がいる部屋の設備も、計画どおりに交換できますか?

室内の設備の入れ替えや間取りの変更は、入居者が退去しなければ工事ができません。国土交通省のガイドブックでも、実施予定の時期が近づいたら、退去のあった部屋から順に工事を進める方法が示されています。工事中はその部屋の家賃が入らないため、退去のタイミングと募集の準備をあわせて計画します。

修繕を先送りすると、どんな影響がありますか?

雨漏りや外壁のひび割れを放置すると劣化が下地まで進み、工事が大きくなって費用がかさみます。入居者は住まい選びで建物の傷み具合を重視するため、空室が埋まりにくくなったり、家賃を下げざるを得なくなったりもします。国土交通省のシミュレーションでは、木造・鉄筋コンクリート造ともに、計画修繕をした場合のほうが利回りが高い結果になっています。

クロスハウスに任せた場合、修繕費はどうなりますか?

借り上げ(サブリース)や管理をクロスハウスにお任せいただく場合の修繕費の負担の分け方や費用の目安は、物件と契約の内容によって異なります。個別にご案内しますので、オーナー様向けのお問い合わせフォームからお問い合わせください。

i

税務に関する内容は、制度の概要を紹介したものです。個別の工事が修繕費と資本的支出のどちらに当たるかは、税理士などの専門家にご確認ください。修繕周期と工事費は、国土交通省「賃貸住宅管理業者向け 計画修繕ガイドブック」に載っている目安・事例で、個々の建物の費用を示すものではありません(2026年10月時点)。

まとめ

アパートの修繕費は、部位ごとの修繕周期から逆算して備えます。木造アパートでは屋根・外壁の塗装が11〜15年、給湯器やエアコンの交換も11〜15年が目安で、築10〜15年に最初の大規模修繕が重なります。費用は建物によって大きく変わるため見積もりで確かめ、長期修繕計画の合計を月数で割って積み立てるのが基本です。修繕費としてその年の経費にできるか、資本的支出として減価償却するかは工事の中身で決まります。修繕のタイミングにあわせて貸し方も見直したいという場合は、オーナー様向けのお問い合わせフォームからご相談ください。

\ 簡単1分で入力完了 /

修繕費と収支の見直しを無料で相談する
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

空き家や投資物件のオーナー様向けに、シェアハウス・家具付き賃貸・民泊等への転用で収益を最大化するノウハウをお伝えしています。

目次